患者Mさんの巻

Mさんは年齢不詳(カルテ見れば分かるけど)の女性。
体重が100キロ越えしている。
いつも巨体をユサユサしながら診察室に入ってくる。
いつもは体重をコントロールしなさいよと他の患者には厳しく言っているドクターも
すっかり諦めて笑っているくらい。
肉が多すぎて痛みどめの注射が届かないと笑う。
体重落とすために入院したのに、なぜに増えて帰って来るのかと笑う。
でも彼女の人間性もあるみたい。
いつもニコニコして「悪いねぇ」と巨体を小さくしている。

ピンク色の可愛いヘルメットを頭にチョコンとかぶって
原付バイクにまたがって通院してくる。
バイクが壊れてしまうのではないかと心配するくらい。
この熱風の中、頑張っているのだ。
「暑いねえ」と挨拶すると、満面の可愛い笑みで「ホント、暑いよ」という。
ピリピリした診察室が和やかな空気に包まれるのは、彼女のムードメーカーの賜物だ。

体もまん丸なら、心もまん丸でいつも穏やか。
でもここまで来るまでは、大変な人生だったらしい。
体にはタトゥーが入っているし、結婚離婚を繰り返し
生活資金にも困ったらしい。
現在は生活保護を受けている。
幸せそうな裏側には、壮絶な人生が隠されているようだ。
詳しくは聞かないが、今が幸せならそれでいい、そんな声が聞こえてくる。

そう、人生は幸も不幸も同じ数。
同じ人生なら、楽しんで笑顔で過ごしたいものだ。
Mさんを見ていると、自分の悩みがちっぽけに見えてくる。
そうだ、すべてポジティブに楽しまなくちゃ!
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