その時

のっけから縁起でもない話ですまん。
職業柄、人が亡くなっていくのを見てきている。
昨日もあるジジ様(93歳)が黄泉の国に旅立った。

数日前から、食事が摂れなくなり
点滴をして栄養を注入していた。
血中酸素濃度が下がって、呼吸苦を訴えるようになった。
HOT(在宅酸素)を導入し、痰を吸引する。

この場面で、昏睡に陥るなど意識がないほうが楽かもしれない。
ジジ様は最後までクリアでどんなに恐ろしかったことかと思う。

部屋の中に看護師が二人いてバイタルサインをとっているのに
手元のナースコールを頻回にならしている。
「苦しい~、助けて~」
何かにすがるように手をかざし、掴もうとしている。

体中が浮腫んできて、点滴がもれる。
そのたびに刺しかえるが、すぐにもれてくる。
手足が冷たくなって、指先がだんだん紫色に変化していく。

そろそろお迎えが近いのだな。
老衰が一番楽な逝き方だと聞くが
ジジ様は大変苦しい思いをしているから
一概にそうとは言えないのかもしれない。

私の父は、一瞬のうちに一人で逝ってしまったのだから
ある意味、苦しまずにすんだのかもしれない。

だんだん努力呼吸になってきて
バイタルが取れなくなり、
呼吸の間が空いてくる。
心電図の波がフラフラしてきて
次第に1本線に・・・

その瞬間ってどんなのだろう。
死者は蘇らないのだから
誰も語ることはできない。

いつかは誰にでも訪れるその時。
今はまだ考えられないけれど
でもちゃんと考えておかないとなあ。

少しずつ身辺整理をして
少しずつ荷物を減らして
立つ鳥にならないと。
あとを濁さないよう、キレイにしなくちゃ。



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