月の終わりに近づいてきた。
来月のケアプラン表を届けに訪問する。
Sさん、80歳、女性。
ご主人に先立たれ、認知症を患ってしまった。
同居の息子は嫁に逃げられ、ちょっと風変わりな人である。

先月は息子と大喧嘩して、家を出るの出ないとのてんやわんやの大騒ぎであった。
市役所の介護保険課より「Sさんが窓口に相談に来ているが、どうすればよいのか」
と電話がきたり、本人や息子から愚痴を聞かされ、何度も家に足を運んだ。

グループホーム(認知症の人が集団で暮らす家)やら、有料老人ホーム、
ショートステイの受け入れ先などを色々と探した。
しかし、いざとなると「この家があるから、まだそういうところへ行く気は
ない」とあっさりと断られてしまう。

なんだかなあ~。
一生懸命になればなるほど、相手が冷めて行く様な気がするなあ~。

ちょっと間をあけて、様子をみよう。
2週間ほど音信不通の日々であった。

インターホンを押すと、待ったいたかのようにドアがあく。
満面の笑みのSさんがいた。

ああ、良かった~。お元気そうだ。

前回は「お爺さんのところへ行きたい」と泣いていたが
今日は「お爺さん」とのなれ染めを面白可笑しく語る。

Sさんは、お爺さんから相当に惚れられたらしい(自己申告)。
親や周囲から大反対され、駆け落ちしたのだと。
なぜかというと、sさんは再婚であり10歳も姉さん女房なのだとか。
Sさん、30歳。ジイサン20歳。
それは「オンナに騙された」と言われても仕方ない。

ウチも夫は4歳年下で、私23歳・夫19歳で結婚した。
初婚だったけど、それでも「女に騙されている」と言われたもん。
今の時代なら珍しくなくなったが、50年も昔のことなら尚更であろう。

若いころは都内で宿のようなところで働いていたという。
そこにはいわゆる〈売春婦〉という女たちが寝泊まりしていた。
食べていくために仕方なく体を売っているオンナもいれば
遊びのようなじゃじゃ馬オンナもいたという。
色んな人間の裏の裏まで見てきたから、人を見る目があるのだと(自己申告)。

ゲヘヘヘ・・・と前歯が抜けて、お笑い芸人みたいな顔で笑う。
「アタシは、どこに行ってもバカいって笑わせるから人気があるの。」だと。

ともかく良かった、良かった。
また来月になると、どんな顔を見せるのかな。

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2011.05.25 / Top↑
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