Kさん。57歳。男性。
SLE(全身エリテマトーデス)を患っている。
数年前、脳腫瘍で手術をしてから若年性の認知症となった。

彼の場合は体の症状よりも精神的なものが大きい。
日によって、気持ちが沈んだり高揚したり扱いに戸惑う。

先日、どよ~んと沈んでいるので声をかけた。
「もう死んじゃいたいよ~。あの時(手術した時)
死んでしまえば良かったんだ~。」
と子供のように、泣きじゃくる。
「死んじゃいたいのか~。でもお母さんが悲しむよ」
「いいんだ。俺なんて、生まれてこないほうが良かったんだ!え~ん・・」

こりゃ、ダメだ。
こういうふうになったら、何を言っても無駄である。
涙を拭いてやり、黙って一緒に外を眺める。
しばらく泣いていたが、もう帰ると言って、車いすを自走していった。

何かいい案はないかなあ。
ああ、そうだ。
お菓子が食べたいと言っていたから
ヘルパーさんを利用して、買い物の外出なんてどうかな。

早速、家族に相談すると
「ぜひ、ぜひ。あの子が明るい気持ちになれるのなら・・」
とワラにでもすがっているようだ。

それではと評判のいいヘルパー事業所に連絡する。
善は急げ!
明日、実調に来て契約したら、すぐに開始するとのこと。

本人もその気で「楽しみだなあ」と言っている。
しかし、あの通り気持ちの浮き沈みの大きい人である。
病気がなせることなので、どうにもならない。

当日は、バイタル(血圧・脈・体温など)を測り
調子を観察。
なんとかなりそうだ。

「財布は持った?気分は悪くない?」
「大丈夫だよ~。心配しなくても。行って来ま~~す」
上機嫌で出かけて行った。

あ~、良かった。
楽しく買い物ができるといいな。

その日から、なんだかいい感じだ。
声も大きくなり明るくなった。

ハイテンションでハイタッチをしてくる。
この調子で元気になってくれるといいなあ。



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2011.10.20 / Top↑
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