奈須子の日誌

ナースカウンターでガーゼ折りなどチマチマとしていたところへKさんがやってきた。
「ねえ、あなた。若くていいわね」
「いいえ。もう若くないんですよ」
「そうかしら。そう見ても20代でしょう」
「いえいえ。」
「じゃ、30代?まさか40代!!?・・・・?
あなた、ふざけちゃだめよ」
と怒って行ってしまった・・・
正直に「35歳です」と言えばよかったなあ。

そのうちにまたKさんがやってきた。
「私寒いんだけど、カーディガン貸して」
「あれれ?Kさん、さっきお貸ししたのはどこへ置いてきましたか?」
「ええ?私?どうしたのかしら・・?ちょっと部屋を見てきます」

そのあとにカーディガンを着たKさんが通りかかる。
「あら、カーディガンがあったんですね」
「え?何のこと?」
そこへさっきのKさんが・・・あれれ?
Kさんが二人いる!ってか、別人だ~。

ごめんね~。
二人並ぶと微妙に違うけど、クリソツではないですか。

車いすを押して、Sさんがやってくる。
「ねえねえ、指が痛いんだけどテープ貼って」
バンドエイドで保護する。
しばらくすると「ねえ、取れちゃったよ~(怒」
粘着のあるテープでがっちりと保護する。
また少しすると「やっぱり取れるよ~」
ってか、自分で取っちゃうんじゃないか~?

ふと見ると車いすで奈須子の追っかけをしているじゃんか~。
「目薬つけて~」「湿布はって~」「足が痛いよ~」

寂しいのかな。そういえば家族の面会はないみたいだし・・・
手をかけるほどに、さらに留めることをしらないから
適当にあしらうようにと先輩ナースに指導される。

はいはい、と対応しているうちはいいけれど
「ちょっと待ってね」が始まると
「ちょっとってどのくらい?いつやってくれるの?」
と母親を追いかける子供のように、いつまでもついてくる。

困っちゃったな~。

眼鏡をかけてインテリ風な美人(だったらしい)の方。
食事介助が必要だし、声を出さないので失語症の認知だと思っていた。
ところが何日か顔を合わせているうちに、突然「ありがと」って言った。
しゃべれるんだ!!びっくりした。
次には「おねえさん、お茶ちょうだい」「もういらない」
知らない人だったから、ちょっと敬遠していたのかな。

美人をいえば、若いころは絶世の美女だったらしい人もいる。
目がパッチリとして、小顔で今風な顔立ちをしている。
うまくすればAKBのメンバーにも入れるかもしれんくらい。
しかしねえ、ベッドから落ちて顔に内出血しまっ黒けである。
たんこぶもあるし、髪はザンバラでお岩さん状態だ。
それでも美人の面影があるのだからすごい。

声をかけると顔をしっかりと見てにっこりとする。
もしかすると女優系なのかなあ。

色んな歴史を感じるのであった。


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コメント

No title

16歳の蘭子です。
私はどんな風になるのかなあ。
イケメンの介護士くんを1日追いかけているかも。
預けっぱなしで面会に来てくれない人も多いのね。

No title

15才の受験生、のごまです。
僕の祖母は55前ですが、一緒に居ると母親と間違われます。

No title

蘭子さん。
90歳のババさま・Sさんは、「18歳だ」と言い張ります。
事務所のY君が大好きで通りかかると「お兄ちゃんv-238
と満面の笑みです。それはもう恋する乙女そのものです。
鏡を見せたら、「誰これ?」とまじまじと眺めていました・・・
蘭ちゃんも鏡をご存じないのかと思われます・・・

のごまさん。
85歳のジジ様・Nさんは、40代の女性の介護さんが大好きv-238
何かにつけて指名してくる。陰部洗浄やおむつ交換はうっとりとしている。
先日は「いっそ、心中しよう」ともちかけたらしい・・
タイムスリップしてしまったのかもしれない。
のごまさんもタイムマシンなるものを持っているのか・・??

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