嬉しかったこと

Kさんは、70代の女性。
夫に先立たれ、子はいない。
キーパーソンは、甥。

早期認知症を患って、食事をしなくなり胃ろうになった。
表情も乏しく、言葉も話さない。
手足はこう縮して関節が固まってしまった。
人形のように、動くこともできない。

それでも自分の意志は持っているようである。
嫌なときは、動かない手を必死で動かし
介護者の手をつねったりするのだ。

奈須子も最初のころは不審そうに見られたものだ。
胃ろうをするときは、「こいつにさせて大丈夫か?」
とでも言いそうな目で、手元をジロジロ見てた。
下着をめくって、胃ろうをチューブにつなごうとすると
手をもってきて、胃ろうを隠すようにした。
嫌だったんだろうなあ~。
怖かったのかもしれないな~。

だんだん慣れてきて声をかけると、目をむけてくれるようになった。
でも言葉はでない。じっと赤子のように見ているだけ。
反応はないけど、奈須子は一方通行のコミュニケーションを続けた。

目ヤニがついていれば、ガーゼで拭きとり
鼻くそがつまっていれば、ティッシュで取り除く。
顔・手足にクリームをすり込み、荒れを防ぐ。
唇がカサカサなので、自前のメンタームを塗ってあげる。

昨日のこと。
胃ろうを始めた時、目がぱっちりをしている。
「あら、Kさん。目を開いてるのね」
と声をかけると
「目を開いています」
とはっきりとした口調でにっこり笑った。

奈須子は大感激。
一瞬、Kさんの脳が活性したのだろうか?
嬉しいなあ~。
Kさんが話してくれた!

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コメント

No title

読んでいてウルウルしてしまいました。
根気強く真心をこめて接していれば通じるのね。

膝の具合はいかが?

No title

なんでだろう?
慣れ?それとも、本当に心を開いてくれたんだろうか?
もっと笑顔が増えるといいね。

No title

仕事の充実感を実感する時かな・・・情理を尽くして天命を待つ・・お見事です!

No title

蘭子さん
本当にそうですね。
言葉も話さないし、表情もない。
だけど、相手は人間なんですね。
ちゃんと分かってくれているし
感じてくれているのだと・・・
膝はまずまずです。ありがとね。
蘭ちゃんも鼻くそがついてたら、とったげるi-235

はるさん
Kさんの私を見る目が変わってきたとは
感じていたのね。
「イタイ」とか「オハヨウ」という単語は
聞いたことがあったけど。
人間、死ぬ瞬間まで成長し続けるというけど
本当かもしれぬと思っています。

のごまさん
ありがとうございますi-199
これからもがんばりますi-88
のごまさんの鼻くそもとってさしあげますi-278

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