Kさんは、70代の女性。
夫に先立たれ、子はいない。
キーパーソンは、甥。

早期認知症を患って、食事をしなくなり胃ろうになった。
表情も乏しく、言葉も話さない。
手足はこう縮して関節が固まってしまった。
人形のように、動くこともできない。

それでも自分の意志は持っているようである。
嫌なときは、動かない手を必死で動かし
介護者の手をつねったりするのだ。

奈須子も最初のころは不審そうに見られたものだ。
胃ろうをするときは、「こいつにさせて大丈夫か?」
とでも言いそうな目で、手元をジロジロ見てた。
下着をめくって、胃ろうをチューブにつなごうとすると
手をもってきて、胃ろうを隠すようにした。
嫌だったんだろうなあ~。
怖かったのかもしれないな~。

だんだん慣れてきて声をかけると、目をむけてくれるようになった。
でも言葉はでない。じっと赤子のように見ているだけ。
反応はないけど、奈須子は一方通行のコミュニケーションを続けた。

目ヤニがついていれば、ガーゼで拭きとり
鼻くそがつまっていれば、ティッシュで取り除く。
顔・手足にクリームをすり込み、荒れを防ぐ。
唇がカサカサなので、自前のメンタームを塗ってあげる。

昨日のこと。
胃ろうを始めた時、目がぱっちりをしている。
「あら、Kさん。目を開いてるのね」
と声をかけると
「目を開いています」
とはっきりとした口調でにっこり笑った。

奈須子は大感激。
一瞬、Kさんの脳が活性したのだろうか?
嬉しいなあ~。
Kさんが話してくれた!

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2012.03.24 / Top↑
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