整形外来日記

            ~交通事故編~
①若者
日に焼けた健康そうな肌。ワックスでツンツンと立てた髪。
耳にはピアスがハマっている。口元にはうっすらと髭。
まるでサ~ファ~のようないでたちだ。
いや趣味でサーフィンをしているのかもしれない。
カルテを見ると(交)とある。
交通事故だ。問診票に首、腰、脇に痛みのチェックが入っている。
診療費は自費とあるから、自爆事故であろうか。
「どうしましたか?」
「車運転しててぇ~、居眠りしてぇ~ガードレールにぶつかったっす」
「どんなふうにぶつかったかは分かる?」
「目が覚めたらぶつかってたんでぇ~」
バカだなあ。一番もったいない事故だ。
聞けば、親元から離れて一人暮らしをしているそうな。
やりたい放題で好きなようにやっているのだろう。
命があっただけでも良かった。
親がどんなに悲しむか。

②中年女
「一昨日、交差点で右折しようとして、止まってたら左側からぶつけられたんです!
ホントびっくりしちゃって、何が何だか分からなくなってね。
そのときはどこも痛くなかったのに、今日になってなんとなく首がこるかんじなんですよ。
それでね、保険屋さんも少しのことでも受診するように言うのでね。」
いかにも健康そうで、どこも悪くなさそうだ。
話が止まらない。多分、コツンと当たっただけなのかもしれない。
大げさに早口でまくしたてている。
保険金をふんだくろうとたくらんでいるのかな。
骨に異常はなく、やや骨粗しょう症傾向がある程度である。
ドクターもしびれをきらして
「特に問題ないけれど、痛かったらリハビリに通ってください。
診断書は保険屋さんに出しておくので。お大事に」
まだ話足りなそうな不満顔の中年女を診察室から追い出してしまった。
やれやれ・・・

③働くお母さん
「バイクで出勤途中、車と接触しました。こちらは信号待ちをしていたので
すが、信号無視の車がぶつかってきたんです。
そのはずみで転倒して、腰と肘を打ちました。」
淡々と明確に説明してくれる。こちらの質問にもきちんと答える。
「介護職なので、シフトに穴をあけられないし休めないんです。
トランス(移乗)やおむつ交換などのときが一番つらいのですが
スタッフが少ないので自分でするしかなく辛いですね」
マジメで優しい人だな。介護さんてこういう人が多い。
レントゲンの結果、骨盤にヒビが入っている。
そりゃ痛いはずだ。すぐにコルセットで固定する。
「診断書を書くから、仕事は休みなさいね」
「でもウチは母子家庭で生活が苦しいので・・・」
「大丈夫だよ。保険金も出るし、傷病手当をもらえるように手配するから
安静にしなさいよ。お母さんが倒れたら困るでしょ」
涙をこぼしながら深深と頭を下げた。

色んな患者がやってくる。
本当に困っている人、保険金を目当ての人
もしかすると当たり屋ではないかと思われるような人も・・・
それはともかくとして、皆事故だけは気をつけてよ。
被害者も加害者もなりたくないし。
なにしろ、痛い思いだけはしたくないもんねぇ。
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コメント

本当にそうですね。
加害者も被害者でも、交通事故はかかわりたくないわー。
気を付けよっと。

明日は我が身かもしれないね。
でも、気をつけていてももらってしまうのは
仕方がないけれど・・・
用心にこしたことはないね。

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