外来に、ある老夫婦が受診してきた。
夫が認知症にかかり、骨折をしたのだという。
ドクターが「奥さん、奥さん」と連呼していたら
「実は、もう8年前に離婚して別居しているのです」と妻。
介護の仕事をしているので、放っておけないのが一つ。
夫の兄が亡くなる時「弟をくれぐれもよろしく頼む」と
言い残して亡くなっていったのが耳に残っているが一つ。
あとは、元夫婦としての情などの気持ちがあるのだという。

ドクターは、夫婦とはどちらかが倒れたら必然的に
介護するものなのだという。
それは嫌だとか良いとかでなくて、自然にそうなるのだという。

そういえば、以前の患者さんにもそういう夫婦がたくさんいた。
妻が認知症にかかり、夫をひどくなじる。
でも夫は今まで浮気を繰り返して苦労かけた罪滅ぼしだという。
ただの看護師なのに、夫の愛人ではないかと疑い
「このあばずれ女。泥棒猫!」とツバをペッとはく。
をいをい、こんなおっさんの愛人だなんて冗談じゃない。
アタシにはもっと素敵な夫がおるぜよ!と思ったもんだ。

逆に病気を悔やんで何かと暴言・暴力する夫を
献身的に世話をする妻。
杖を振り回し、怒鳴り散らすのを優しくなだめ
スタッフたちに謝罪する。
なんでそこまでするのかな~と不思議に思ったものだ。

夫婦って赤の他人なのに、本当に不思議な関係だな。
先日、夫を亡くしたという患者さんが来た。
「ケンカばっかりしていたけど、死んじゃったらケンカもできない。
話し相手もいないし、本当に寂しい」
と言っていた。
配偶者とは、最も身近な理解者であり、心許せる存在であり
まさに人生のパートナーなんだな。
いつもいて当たり前に思っているけど
もしも突然いなくなったりしたら、虚無感と悲しみでいっぱいになるのだろう。
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2015.09.02 / Top↑
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