ガールズ旅記

友人ら6人で新潟に旅した。世間一般では立派な「おばさん軍団」であるが、当人たちは至って真剣なガールズである。

新潟のとある地区のM寺でフェスティバルがあるというので、行くことになった。新幹線を降りて、ローカル線を乗り継ぐこと1時間。やっと着いた。あたりは田んぼだらけでコンビニもない。ガールズとしてはだんだん不安がこみあげてきた。

お寺の周りには亡くなった人へのコメントがかかれた燈篭が所狭しと並んでいた。中でも「今でもあなたからの電話が来るような気がして」という言葉が心にささった。本当に親しい人がいなくなるってそういうことなんだなと思った。死んでしまったことが信じられない、時間が来ると「ただいま」と帰ってくるかもしれない。と自室をそのままにしておくというのは聞いたことがある。
人の命って、本当に重くて素晴らしいものなのだと肌で感じる思いがした。

院庭では交流が始まっている。午後からはSというポップグループのライヴが始まった。ゆず系のハーモニィーがとても素敵なユニットである。お寺でこんな素敵な音楽が聴けるなんて夢にもおもっていなかったのでとってもびっくりした。 どうしてヒットしないのかあ~。とっても素敵な曲ばかりなのに・・きっと宣伝しないからかもね。もっと事務所やファンクラブが力を入れて世の中に語りかければ、絶対に日の目を見ることかと思う。事前に予習していた「にわかファン」の応援隊ガールズは最前列で大騒ぎをしていたのだ~。もちろん、シラフでなんてできない。真昼間からビールで乾杯をして、言いたい放題のやりたい放題であった。きっとあとで「なんだありゃあ?」と不評であったことと思うが。
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マジメ~なガールズの一人が「アタシ、昼間からこんなに飲んだのは初めてだわ」というと、最年長のガールズが「あら。アタクシは新幹線待ちの東京駅で朝から一杯ひっかけてきたわよ。それが旅の始まりのだいご味だわよ」だって。旅慣れている人は違うわ~と尊敬のまなざしであった。

P2010_0828_145526.jpg 次のステージは「今昔物語・現代版」が始まった。
写真は日本舞踊とタップダンスのコラボの一枚である。ガールズたちはタップダンスの男性が素敵だとか、浄瑠璃を歌う男性がイケメンだとか大騒ぎである。内容的にもとても面白く、見ごたえのあるステージであった。が、しかし興味の的は、タップダンサーの年齢がどうとか、耳に十字架のピアスしているのはどうしてか?とかどうでもいい話題であった・・・?

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夕刻が迫り、ライトアップされた三重の塔。まわりにはカップロウソクやら燈篭がきらめき、とても幻想的で素敵。
「亡くなった人を尊び、生きる人に安らぎをもたらすのが仏教」だという。私は無宗教で、そういう教えには興味がなかったのだが、一人一人の心に安らぎがあり、人々がなごやかに暮らせるような世の中にしたいという住職さんの言葉に感動した。
仏とは亡くなった人だけをいうのではない、人の心にも存在するのだと・・・
苦しいときにそれから逃げてはいけない。苦しいからこそ立ち向かうことが次へのステップである。泥沼のような中にいて、黒い養分で茶色の花を咲かせるのではなく、真っ白の花を咲かせてごらん・・・
願いが叶わないときは、それはきっと正しい願いではなかったのかもしれない。願いが叶うことが必ずしもいいとは限らないんだよ・・・。
単純なガールズたちは「心が洗われたようだ」と感激していたが、果たしてどのくらい持続するのか・・?

寺から宿へは約1キロくらいの道のりである。しかも外灯がなく真っ暗である。
ひえ~っ・・・都会に住むガールズたちは、足元がおぼつかない。
「アタシはね、いつも夫から〈おまえのほうが怖いからモノノケが出てこないから安心せよ〉と言われてんの」
なんて言いながら、笑いが絶えない。きっとモノノケたちも躊躇しているのだろう。
一緒に歩いていたはずの最年長のガールズの姿がない。
ふと見ると、道からはずれたところに転がっている。慌てて引き起こしてまた歩きだす。
年長ガールズは「あらまあ。星がきれいだこと~」なんてのんきなこと言っている。
「さあ、歌いましょ。みあ~geteご蘭~・・」
よし、酔った勢いだ!歌っちゃえぃ。誰もとがめたりはせんだろう。
「ヨルのほ~shiォお~・・」声を張り上げて叫ぶ。
肩を組んで、右へフラフラ左へヨタヨタ・・・
はたから見たら、酔っ払いのオヤジみたいに見えるかもしれない。
でもアタクシたちは「ガールズ」なので、上品さがある。

そんなこんなで、無事に宿に到着。今思うと、襲われもせずによく帰れたもんだと冷や汗ものだ。
草場のかげでモノノケたちが息をひそめていそうなロケーションだったのに。
なぜか部屋にはメンバーではない人たちも飲み会に参加している。
私には理解できないようなレベルの高い話題で喧々囂々としている。
てか、もう眠くて理解不能である。
一人ツブレタ・・・布団へと引っ張り込む。
もう一人ツブレタ・・・アタシもツブレル寸前・・・

よく飲んだ・・

翌日は、新潟駅周辺を観光バスツアーに参加した。
約1時間。市内の色んなところを案内してくれていたらしい。
バス内もおしゃべりが止まらないので、じっくりと見ることもなく過ぎて行った。
どこからそんなに色々と話題が湧き出て来るのかと思うほどである。
お年頃のガールズは箸が転がっても可笑しいのである。

たくさんのお土産と思い出をいっぱい詰めて、旅が終わった。
ガールズの旅は本当に楽しかったなあ。






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コメント

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なかなかやるのう。おぬし達。
確かに、現地の人たちは怖いものでも見るように、近づいてこなかったなあ・・
あまりに美しすぎたというのも一因だけど。
旅の恥はなんとやら。楽しけりゃいいのよ。

どの句も甲乙つけがたいので全員入賞。
選者:那須野

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