お見舞い

雪が降り出しそうな、どんよりした曇りである。
家族そろって、入院中の親戚の人のお見舞いに行った。

ふくよかでおおらかで、優しく明るい人である。
いつもニコニコして、おしゃべりしていた。

医療センターのガン病棟は
出入りが厳しくて、マ~ゴは入れない。
夫と娘と私が交代で見舞いに行く。

放射線治療が始まって、辛い時期かと懸念していたが
顔色もよく、見た目は悪くはない。
髪の毛もあるし、点滴もしていない。

少しやつれたような表情をしているものの
笑顔は健在である。
「今日は治療もないし、点滴もしていないし、何ともないよ」
と平気そうなそぶりをするけれど
体の向きを変えるのさえ、笑顔が苦痛に変わる。
無理しなくてもいいというのに、大丈夫だという。

やっと手にした財布から
マ~ゴに小遣いだと言って
小銭を全部出して、娘の手に握らせた。
「これしかやれなくてごめんね・・・」
自分のほうが辛いのに、そんな気遣いをしてくれる。

もしかすると、これが最後かと思う。

ドクターのムンテラでは

余命一か月。

まだ70歳というのに
なんで神様は連れて行ってしまうのか。





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コメント

その気遣いは、病人としてではなく
親戚の一員としての気持ちなんですね。

はるさん
そうだね。
叔母はいつだってそうなの。
子供好きってのもあるだろうけど
優しい人なんだなあ。
切ないですね。
なんで叔母が選ばれちゃったんだろう?

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